法律相談で確認すべきチェックリスト|案件類型別・弁護士向け聞き取り項目一覧
法律相談は、弁護士が依頼者から十分な情報を得る最初の機会です。確認漏れがあると後の手続きで問題が生じる可能性があります。本記事では、法律相談で必ず確認すべき項目を、案件類型別チェックリスト形式でまとめました。
共通確認事項(全案件必須)
案件を問わず、毎回の相談で必ずチェックすべき基本項目です。
全案件共通チェックリスト
- 相談者の氏名・生年月日・連絡先
- 相手方の氏名・住所・連絡先(判明している範囲)
- 問題が発生した日時・場所・経緯
- これまでの時系列(いつ何が起きたか)
- 相談者が求める解決方法
- 緊急性・期限の有無
- 他の弁護士や機関への相談歴
- 時効・除斥期間の確認(最重要)
⏰ 時効・期限は初回相談で必ず確認してください。不法行為は原則3年・5年、賃金請求権は3年など案件によって異なります。受任後に発覚すると取り返しがつきません。
案件類型別チェックリスト
離婚・男女問題
確認事項
- 婚姻期間・子どもの有無と年齢
- 離婚原因(不貞行為・DV・性格の不一致など)と証拠の有無
- 別居の有無と期間
- 財産分与の対象財産(不動産・預貯金・退職金)の概算
- 養育費・親権の意向
- 相手方の代理人弁護士の有無
- 調停・審判・訴訟の経験・進捗状況
相続・遺言
確認事項
- 被相続人との関係と相続開始日
- 法定相続人の全員の構成
- 遺言書の有無と種類(公正証書・自筆など)
- 相続財産の概要(不動産・預貯金・株式・負債)
- 特別受益・寄与分の有無
- 相続放棄の検討有無と3ヶ月の期限確認
- 遺産分割協議の進捗状況
交通事故
確認事項
- 事故日時・場所・状況(交差点か直線か、信号の有無など)
- 過失割合の認識と相手方・保険会社の主張
- 人身・物損の別と受傷内容
- 診断書・入院通院記録・休業損害証明書の有無
- 加害者の任意保険・自賠責保険の情報
- 後遺障害の可能性と症状固定の見通し
- 示談交渉の進捗・提示金額の有無
労働問題
確認事項
- 雇用形態(正社員・契約社員・派遣など)と就業規則の有無
- 未払い賃金・残業代の金額と対象期間
- 解雇・退職勧奨の経緯と解雇通知書の有無
- ハラスメントの内容・頻度・証拠(メール・録音など)
- 労働基準監督署への申告歴
- 退職日・有給残日数・雇用保険の状況
確認時の3つのポイント
感情的な訴えを事実に変換する
依頼者は感情的になっている場合が多く、「ひどいことをされた」「信じられない」といった訴えが多くなります。これを「いつ・誰が・何をした」という具体的な事実に変換する聴き方が弁護士の仕事です。感情に共感しながらも、記録は事実ベースを保ちましょう。
相手方の言い分も想定する
依頼者の主張だけでなく、相手方がどのような反論をするかを想定しながら聞き取ることで、より立体的な事実整理ができます。「相手方はどのように言っていますか?」という質問を必ず入れてください。
証拠の有無を最初に確認する
証拠の有無は方針の選択に直結します。「手元に書類はありますか?」をチェックリストの早い段階で確認し、持参を依頼していない場合は次回までに準備してもらいましょう。